店主の買付け備忘録 vol.4 「2月古物市場」

店主の買付け備忘録、第4回目は今年初めての「古物市場」に参加してきました。

 

第二次緊急事態宣言により1月の古物市場は休会となってしまったため久しぶりの古物市場でした。

といっても2月も緊急事態宣言下なわけですが、今回参加した古物市場では、通常の会場からより広く使える別会場に移動し、感染対策を徹底したうえで開催されました。

 

川崎 質屋 渡田質店 店主の買付け備忘録

 

 

店主の買付け備忘録 vol.1でも紹介しましたが、現在オークションでは新型コロナウイルス感染予防対策のため【入札方式】が主流になっていますが、古物市場では現在でも【手競り】という昔ながらの競りの方法で商品を買います。

 

手競りとは、【振り手】と呼ばれる主催者側の人が出品商品のスタート価格を発句(ほっく)し、【買い手】が一斉に自分たちの欲しい金額を声に出し、一番高い金額を言った買い手がその商品を落札することができるというとてもシンプルなシステム。

 

値段を声に出すことを業界用語で【ヤリをつく】と言います。

手競りでは、ヤリをつかないといつまでたっても商品を買うことはできません。

 

商品1点ごとに振り手が発句し、買い手がヤリをつき、落札者が決まるとまた次の商品が振り手によって発句されます。

商品によってヤリをつく買い手もいれば、ヤリをつかない買い手もいます。

人気商品が出品されるときには大勢の買い手がヤリをつくため、必然的に声も大きくなり市場が盛り上がります。

 

 

ちょっと何言ってるかわかんないという人のために簡単な流れの例を、

 

振り手「ロレックス エクスプローラー A番 本体のみ、こちらは450,000円! 」

 

買い手A「460,000円!」

買い手B「480,000円!」

買い手C「470,000円!」

買い手D「475,000円!」

 

振り手「480,000円で買い手Bさん!」

 

“https://www.recycle-tsushin.com”

 

とこんな感じ。

実際には46(シロク)とか48(ヨンパー)とか略した数字や、【符丁】と呼ばれる特殊な言い回しで、上の写真の人のように手で数字を表しながらヤリをつきます。

符丁についてはまたいずれ説明します。

 

明確な規則はありませんが、商品の相場価格の下3ケタまで数字を言うことができます。

例えば、およそ10,000円程度の相場の商品だとしたら、10,500円や11,500円など。

わずかな差で勝つことができると買い手は喜びますし、負けたほうは悔しさから次からのヤリがちょっと高くなったりするので、市場には「場の流れ」のようなものがあります。

 

 

手”競り”と言っていますが、古物市場では基本的に【1本ヤリ】といってオークションのように金額が競り上がることはほとんどありません。

文字通り一発で決まるので、たとえ100円差だったとしても負けは負け。商品を買うことはできません。

 

この1本ヤリは自分の言った金額に責任をとらなくてはならないので、ヤリをつくには自分の値段に対する確固たる自信と少しの勇気が必要です。自分の言った金額が周りの買い手さんとかけ離れていると、見落としている不具合があったのか、自分の値段は間違っているのか、とか疑心暗鬼になりがちです。自分の値段に確固たる自信があれば不安になるなんてことは無いのですが、、僕もまだまだ修行中です。

 

 

僕が参加している古物市場はオークションと違って企業による運営ではなく、ほとんどが各地元質屋組合の組合員による運営なので、雰囲気はオークションよりもいい意味でゆるいです。

 

オークションの事を【大会】古物市場のことを【平場(ひらば)】なんて言ったりしますが、平場はアットホームな雰囲気のところが多くてワイワイ楽しく仕事ができます。初めてオークションに参加したときは、平場との雰囲気の違いにかなりビビってしまいました。

 

 

 

かなり前置きが長くなってしまいましたが、実際の買付けの様子を。

 

川崎 質屋 渡田質店 店主の買付け備忘録 

 

オメガ シーマスター120mのQzです。

よく見かけますが常時一本在庫があって欲しい時計です。

この辺りは海外需要も高いのでしっかり下見しておきました。

水分が入ってしまったためか文字盤外周とインデックスに腐食があったのでやや安めに考えておきました。

文字盤の腐食は、ものによってはいい”味”になってたりするので狙いどころ。ちょっと安く買えるかも!とヨコシマな考えでいたらまさかの発句負け。声も出せずに終了です。トホホ。

 

 

 

 

川崎 質屋 渡田質店 店主の買付け備忘録

 

ブライトリング ナビタイマー ファイターズです。

アイボリーがかった文字盤に黒いインダイヤル、絶対に使いこなせないであろう回転計算尺の数字の羅列がかっこいいです。

バルジュー7750系の縦目クロノグラフは個人的にも大好きですが、こちらはベゼルが固く動かせず、ガラスに擦れ傷が多くコマも短かったので強気にはなれませんでした。

 

 

 

 

川崎 質屋 渡田質店 店主の買付け備忘録

 

こちらも同じくブライトリングのナビタイマーですが、クオーツモデルのジュピターパイロットです。

黒文字盤に白いインダイヤルのいわゆるパンダ文字盤です。

やたらと多い数字とメモリがプロ仕様を感じさせます。

年代の割にとってもきれいな状態で、ブレスレットは悪く言えば少しチープなシングルバックル。でもそれがかっこいい!

やたらとプッシュボタンがついていて、押したときの音もなんだかチープ。でもそれがいい!

オールドフューチャー感があっていいですねー。

箱と保証書が付属していて、箱は中が劣化しており、保証書は無記入でした。

これはほしいなーと思って、悩み悩んだ末にドカンと高い金額でヤリをつきました。

周りの買い手さんたちはそこまでほしくなかったのかやや安め。

もっと安く買えたジャンとは思わないようにしておきます。

 

 

 

 

 

今日は何が出るのかと出品予定商品を物色していたところ、

おや?テクノス?と思ったらまさかの本家デイトナ!116520の白文字盤ではないですか!

テクノスとは古物市場ではよく見かけるロレックス他有名ブランドのアイコン的デザインにかなり似ているように見える時計を作るブランドです。昔のテクノスは結構かっこいいんですけどね。

テクノスのことは置いといて、平場で116520がでるなんて、今回参加した古物市場はいつもいい商品がでるので本当に感服してしまいます。

スペック的にはV番の旧型バックルで本体のみ。小傷が多々見受けられますが致命的なダメージは見受けられませんでした。

ヤリをつくか一瞬迷いましたが、これ一本であきらかに予算オーバーのため観戦することにしました。

古物市場では珍しく価格が競り上がり、高い値段で落札されていました。

 

 

ちょっと今回は時計の紹介が少なめですが、他にG-Shockなどを数本買ってこの日は終了。

今回買付けした商品はメンテナンスなど終えましたら順次当店のヤフーショッピングなどに出品していきますのでよかったらご覧になってみてください。

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