店主の買付け備忘録 vol.6 「2月オークション 後編」

店主の買付け備忘録、第6回は前回に続き、横浜の某大手オークションの下見会の後半戦を。

 

休日に下見会に参加したので、いつもよりゆっくり商品を見ることが出来ました。

予算は毎度のことながらそこまでないので、本当に欲しいと思った時計に入札を絞りました。

 

 

 

それではさっそく下見の後半戦の様子を。

 

 

川崎 質屋 渡田質店 店主の買付け備忘録

 

店主の買付け備忘録】で初めてのレディースモデルの登場です。

カルティエの数あるアイコンウォッチの中のひとつ、タンクフランセーズSMです。

「タンクフラ」の愛称で呼んでいます。サイズはSM・MM・LMとありますが、タンクフラはやっぱりSMでしょう。

たまには女性向けの時計も仕入れなきゃなぁと思い、個人的に女性が付けてほしい時計トップ3に入るこちらをチェック。

だいたい白からアイボリーな文字盤やシェル文字盤をよく見かけますが、こちらの黒文字盤はアジア限定品です。

ケース幅とブレス幅がほとんど同じようなサイズ感のためブレスレット・バングル感覚で付けられますので、腕周りはやや大き目に調整して、手を上げたときにずるっと下がってくるぐらいのサイズ感がオススメです。

写真でもわかるように12時側の1コマ目に大きい傷があり、けっこう深かったのでポリッシュしても消えなそう。

ちょっと弱めに値段を入れておきましたが、大体そういう時は買えません。

 

 

 

 

川崎 質屋 渡田質店 店主の買付け備忘録

 

ティファニーのアトラススクエアです。こちらも同じく女性向けのレディースモデル。

レディースモデルの事をベテランの方は女物(めもち)なんて言ったりしますね。

先程のタンクフラと同様に、ケースとブレスの幅がほとんど変わらずブレスレットのように付けられます。

ダークグレー文字盤が3パターンの仕上げが施されたSSブレスによくマッチしています。

腕時計に用いられる金属の仕上げは、鏡のように反射する「鏡面仕上げ」 ヘアラインとも呼ばれる縦に細かい線が入った「サテン仕上げ」 ブラスト(吹付)によるマットな「梨地仕上げ」の大体3パターンです。

メーカーの技術力によって3パターンの仕上げもそれぞれ全然違いますよ。

 

 

 

 

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Diorことクリスチャンディオールのスイングです。

80年代から90年代に作られた、ディオール・グッチ・フェンディなどの高級ファッションブランドの腕時計は、現在とは違ってアクセサリー感覚で販売していたためか結構チープな作りのクオーツモデルが多いです。

そのちょっとチープな感じがかわいいですし、お値段もかなりお手頃なので状態のいいものはヤリをつくようにしています。

ただし、あんまりお金をかけて作っていなかったのか、良いステンレスを使っていないのでケースやブレスが腐食してしまっているものが多いです。

お買取りの場合ですと、長い間タンスの肥やしになっていたものが多く、電池の液漏れによって内部機械が再起不能の場合があるので注意です。

その反面、動作していて綺麗な状態のものはなるべく高い値段を付けるようにしています。

 

 

 

 

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オメガのスピードマスタープロフェッショナル3590.50です。

前にも載せた気がしますが、この辺は毎回チェックしています。

夜光がいい色に焼けているものは狙うようにしていますが、前回トリチウムの3570.50を買ったので、買えたらいいなくらいの気持ちで入札しました。

 

 

 

 

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先程の3590.50とほとんど同じに見えますが、「Speedmaster」の文字をよく見て比べてみてください。

最後のrが大きく、中心線から下がっていて、これを通称「下がりr」と言います。

Sもちょっと縦に長いですね、でも「ビッグS」とは呼ばれません。「下がりr」です。

第五世代のスピマスプロは30年近く製造されてたロングセラーモデルなので、いくつかマイナーチェンジがあります。

文字盤だけで簡単に言えば、段付き下がりrの通称5th(フィフス)→下がりr→トリチウムって感じです。

下がりr以前は3590.50ではなく、145.022という型番が一般的です。

下がりrとトリチウムではちょっとだけ下がりrの方が高いです。段付き下がりrでキャタピラブレスが生きていると一気に値段が跳ね上がります。

 

 

 

 

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今回のオークションもう一つのお目当てであったセイコー ファーストダイバー復刻 SBDX009です。

2000本限定とまあまあ本数が有りながら、いまだウォントが絶えない人気モデルです。

定価は350,000円ですが、市場相場は定価を超えていきます。

付属品は箱・保証書の他にラバーベルトとタグが3枚付いてきます。

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定価や型番が記載されたモデルタグ、スペシャルコーティング技術の証のダイヤシールドタグ、そして雫石高級時計工房タグの3枚です。

以前にSBDX009の未使用品をお買取りさせていただいたことがありまして、それは渡田質店HPの買取実績ページにも掲載しています。

言葉足らずで申し訳ありませんが、これは頑張って入札しちゃいます。

 

 

 

 

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久々にロレックスの登場です。

ロレックスの現行モデルや6ケタの近年モデルは、もうほんとに値段が高すぎてオークションでは予算的に買えません。店頭でのお買取りはもちろん喜んで承りますが、オークションで買付けをしたらいくらお金があっても足りません。

個人的には5ケタスポーツモデルの方が好きなので、買い付けるのならば5ケタ。それもできればT番くらいまでのオールトリチウムが望ましいところですが、こちらもグングン値段が上がっていますので6ケタと大して変わらないのかも。

こちらのエクスプローラーRef.14270はオールトリチウムのシングルバックル。最近値段が跳ね上がっています。

W番くらいからブレスレットがダブルロックのバックルにマイナーチェンジするんですが、最近はセミヴィンテージなシングルバックルが評価されています。

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シングルバックルでなくともオールトリチウムのRef.14270とRef.16570は常に持っておきたいところですが、せっかくオークションで買い付けるならとシングルバックルを狙ってしまいました。

 

 

 

 

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ということでこちらもオールトリチウムでシングルバックルのエクスプローラーRef.14270です。

しかもこちらはめちゃめちゃきれいで、ノンポリッシュ?と思うほどの良個体。

ノンポリッシュとは「ノンポリ」とも言いますが、読んで字のごとくポリッシュを一度もされていないであろう個体の事を呼びます。

僕はまだまだ勉強不足で経験不足なので、見た目だけでノンポリか否か判断することはできません。

しかし僕が先生と仰ぐ大先輩に「ラグを見るといいよ」と教わったことがありますので、先程のRef.14270を①、この良個体を②としてラグを比べてみましょう。

ちなみに先程の①はなかなかの使用感がありました。

 

①のラグ

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②のラグ

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ラグの先っちょが全然違いますね。

②の方が明らかにエッジが立っていてジャキっとしていますが、対して①のラグは丸みを帯びていて、何回もポリッシュされたことが見て伺えます。

触ってみるとさらにわかりやすく、②のエッジは痛いくらいに鋭いです。

まあそんなわけで②のほうが欲しいなと思って頑張って入札しましたが、大手も参加しているオークション。ハッキリ言って惨敗でした。。

ただ、これはやはりノンポリ、もしくはノンポリに近い状態であったのではと確信する事が出来ていい勉強になりました。この積み重ねが確固たる自分の値段への自信につながることでしょう。

以前にも書きましたが現在オークションでは、新型コロナウイルス感染予防対策のため【入札方式】が採用されています。【手競り】をやっていた頃は大手トップバイヤーと【ヤリをつく】勝負で本当にいい勉強になると思っていましたが、入札方式によってそのいい勉強ができなくなってしまったように感じていました。もはや手競り時代が懐かしく思うほどになってしまいましたが、腐らずあきらめず、多くの品物を下見して値段を入れて反省して、精進していかないといけませんね。

 

 

 

 

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なんかそれっぽい感じで〆かと思いきやまだ続きます。

エクスプローラー2 Ref.16570の白文字盤オールトリチウムシングルバックルです。

そこまで夜光のヤケは見受けられず、ほんのーりクリーム色かな?って具合でした。

これがいい感じにキレイに焼けていると値段が跳ね上がる印象です。

トリチウム特有の「ヤケ」なんですが、一般的には水分が関係しているのではないかと言われています。

茶色に近いほど焼けているものは、文字盤が腐食してしまっている場合が多々あります。

リューズが解放された状態で水分が入ってしまったことによるものなのか、はっきりしたことはわかりませんが、以前はマイナスポイントだった夜光のヤケが、後に「味」として再評価されるのは面白いことですね。

ロレックスのヴィンテージやセミヴィンテージに関して言えば、メーカーでまめにオーバーホールしてパーツ交換などメンテナンスをしっかりやってきた個体よりも、ラフに使用してメーカーでのオーバーホールをせず、オリジナルの状態のままの個体の方が値段が高くなるケースも多々あるわけで、本当に興味深いですよね。

長々と綴りましたがこちらは今回は様子見で、次回以降に生かすようにします。 

 

 

 

 

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ロレックスのデイトジャスト Ref.1603です。

Ref.1601はWG(ホワイトゴールド)ベゼル、Ref.1603はベゼルもSSです。

この青文字盤、めちゃめちゃいい色じゃないですか。

文字盤に段がついていて、そのフチが所々ビリビリと腐食しています。

外周の点状のインデックスもいい色に焼けて、キレイなブルーとのコントラストがいい感じです。

ブレスレットは見ての通り社外製ですが、ナイロンベルトにも合いそう。

この4ケタデイトジャスト、Ref.1603もRef.1601もグングン値段が上がっておりまして、その幅がはっきりしないので、様子見な金額で入札しました。

 

 

 

 

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先程と同じくRef.1603ですが、こちらは同じ青文字盤でもインディゴブルーって感じですね。

こういう珍しいカラー文字盤のデイトジャストは高い傾向にあります。

オークションで出品されるRef.1603またはRef.1601は、7割方がシルバー系文字盤です。

これは見たことのないインディゴブルー、日本人がよく好みそうな雰囲気なのでいくらまでいくか見ものです。

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5連ジュビリーの飛び出し王冠バックルです。

川崎 質屋 渡田質店 店主の買付け備忘録

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ブレスは伸びてかなりたれてしまっていますが、そこまで値段に影響はないのではないかと思います。

Ref.1603のシルバー以外の文字盤は欲しいところなので、今回は様子を見ながらの入札でした。

 

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余談ですが【店主の買付け備忘録】のイメージ画像はRef.1603のブラックミラー文字盤です。

 

 

 

前・後編に渡りました2月のオークションもこれにて終了。

本数は買えませんでしたが、欲しいところは買えたので良しとします。

つたない文章ながらご覧いただきありがとうございます。

 

厳しい寒さも落ち着きを見せ、春の気配を感じ始めましたね。

3月のオークションは所用のため参加できないかもしれませんが、次回は古物市場でいい品物に巡り合えることを楽しみにしています。

 

 

【店主の買付け備忘録】で紹介し、買付けすることができた商品はメンテナンスなど終えた後、順次当店のヤフーショッピングなどに出品していきますのでよかったらご覧になってみてください。

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