店主の買付け備忘録 vol.5 「2月オークション 前編」

店主の買付け備忘録、第5回目となる今回は横浜の某大手オークションの下見会の様子をお届けします。

 

 

一都三県への緊急事態宣言下でしたが、今回参加したオークションでは【手競り】ではなく【入札方式】のため通常開催となりました。

入札方式を採用しているオークションでは、人が集まるのは下見会の時だけ。

その下見会も事前予約制で人数制限があるので安心です。

さらに予約が少なそうな祝日が当店の定休日にたまたま重なっていたので、休日でしたが重い腰を上げて下見会にいってきました。

 

川崎 質屋 渡田質店 店主の買付け備忘録
川崎の質屋 渡田質店 店主の買付け備忘録

 

 

受付で会費を支払い、消毒と検温を済ませて下見本と手袋をもらいます。

下見会場に入ってみると予想は思いっきり外れ、人数制限ギリギリであろうほど大手バイヤーの皆さんで賑わっておりました。

 

オークションには、参加資格が限定的な古物市場と違って、全国各地から多くの企業が参加しています。

ここでは「大手」としか言えませんが、多店舗展開している超有名時計販売店のバイヤーさんも参加しているので、本気で値段を入れないとなかなか商品を買うことはできません。

ロレックスに関して言えば、日本でトップクラスの値段でなければ買うことはできないので、当社のような零細企業にはかなりハードルが高いのです。

まぁ他のブランドでも同じことが言えますが、僕の場合欲しいものがかなり偏っていますので倍率はロレックスよりもやや低いのかも?と思われます。

 

 

 

それでは下見の様子を。

 

 

川崎 質屋 渡田質店 店主の買付け備忘録

 

ベルロスことBell&Ross(ベルアンドロス)のアヴィエーションBR03デザートタイプです。

この写真だとちょっと分かりにくいですが、実物は「デザートタイプ」の名にふさわしくいい感じに薄めなサンドベージュカラーで、マットなブラックのケースにマッチしていて、ミリタリーな見た目がとってもかっこいいです。

ベルロスのアイコンとも言える航空計器をサンプルしたデザインの角型ケースですが、主にBR03とBR01が多く展開されています。BR01のほうが4㎜ケースサイズが大きく、個人的にはこちらのBR03の42㎜サイズが好み。BR01の46㎜だとちょっと大きすぎると感じてしまいます。

ベルロスは海外での人気がけっこうある印象。当店では海外販売向けのマーケットプレイスChrono24でよく注文されます。

コロナ以前の手競り時代のオークションでは、ヤリをつく業者が少なかった印象ですが入札方式になってから状態のいいものは値段が上がった気がしますのでちょっと高めに設定しておきました。

 

 

 

 

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はい。毎度おなじみスピマスAT3510.50です。

ここのオークションで3510.50が出品されないことはありません。毎月必ず出品されています。

以前の備忘録でもちょっと書きましたが、数年前から3510.50の相場は上がっています。

最近はこの辺が天井かなーという感じですが、僕がこの業界に入った時よりもおよそ2倍くらいの値段になっています。

ご売却をお考えの方はぜひ渡田質店にご相談いただけたら幸いです。

 

 

 

 

川崎 質屋 渡田質店 店主の買付け備忘録

 

まやもや3510.50です。

オークションではトップクラスの値段でしか買えないので、古物市場などでもよく見るようなモデルはスルーしてました。

3510.50の相場が伸び始めたころ、仕入れたらすぐChrono24で売れる時期があったので、オークションでも複数買付けようとしました。その時期は3510.50を10本以上下見していましたが、その頃になるとぐんぐん相場が上がっていたのでなかなか買うことができませんでした。

それからオークションに参加した際は、3510.50を最低一本は下見するようにしています。

状態のいいものや、写真の個体のように夜光がいい色に焼けているものを主に狙っていますが、後者は傷が多かったり、機械の調子悪かったりするものが多いので入念にチェックが必要です。

 

 

 

 

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3510.50の白文字盤、丸井限定の3510.20です。

以前の備忘録で、同じく丸井限定のパンダダイヤル3510.21を紹介しましたが、こちらもノーマル黒文字盤と比べておよそ2倍の相場があります。

この3本で言えば、パンダ文字盤>白文字盤>黒文字盤って感じです。

どうせ3510.50の倍近く出すならパンダのほうがいいなーってことで今回はスルーです。

 

 

 

 

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ロンジンのレジェンドダイバー。1960年頃のダイバーモデルの復刻です。

リューズが2時と4時位置に1つずつありますが、片方はインナーベゼルを動かすためのもので、デザイン的にもかっこいい。ミラーダイヤルのような光沢のある黒文字盤に浮かぶような印字がまたいい感じです。

復刻レジェンドダイバーはかっこいいのに割とお求めやすいお値段が魅力的です。

ケースサイズが42㎜と36㎜のモデルがあって、42㎜にはデイト付とデイト無しのモデルがあり、写真のこちらは42㎜デイト付の革ベルトタイプ。使用感はそこまでありませんでしたが、革ベルトにポロポロに劣化。個人的には36㎜の方がヴィンテージ感があって好みなのでほどほどに値段を入れておきました。

 

 

 

 

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1本目に紹介したベルロスのアヴィエーションのデジアナモデルです。

デジアナとは見てそのままの通り、デジタルの液晶表示とアナログの針が混在したものです。個人的にはブライトリングのイメージがあります。

ベルロスが出品されていたら大体は下見しておくのですがこのデジアナモデルは初めて。

アリかも?と思って下見しましたが、恥ずかしながら使い方がさっぱりわからず、時刻すら合わせられなかったのでスルーしておきました。

 

 

 

 

 

チュードルことチューダーの復刻「ホームベース」ヘリテージクロノです。

オリジナルは1970年に発表されたチュードル初のクロノグラフ、オイスターデイトです。

川崎 質屋 渡田質店 店主の買付け備忘録
https://www.tudorwatch.com/ja

 

特徴的な5角形のインデックスがまさにホームベース。カラーリング的にも読売巨人軍のビジターユニフォームっぽいので元野球部の僕は否応なく反応してしまいます。オリジナルはムック本や画像でしか見たことはありませんし、値段も高いので、このヘリテージクロノを買い付けてみようかなと。

手競り時代のこちらのオークションで、まだ参加し始めたころにチューダーのブラックベイを高く買いすぎて痛い目を見たことがあるので慎重に値段を入れておきます。

 

 

 

 

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ポルシェデザイン、エテルナ期のクロノグラフです。

提携メーカーがIWCからエテルナへ移行したのが1998年頃、IWC時代のポルシェデザインはオーシャン2000を筆頭にホントにかっこいい時計が多いので人気も相場も高いですが、エテルナモデルになると急に値段が下がります。

エテルナ初期モデルには夜光がトリチウムの個体もあるのでチタンダイバーなんかはチェックするようにしていますが、こちらのクロノグラフはどうでしょうか。赤針がいい感じだなーと思ったんですが、やはり個人的にはIWC期のモデルのほうが好みです。

ETA7750系縦目デイト付クロノグラフにはファンが多いですよね。僕が普段から愛用しているIWCのGSTクロノグラフも同系統です。

手を振るとローターがぐるんぐるん回っているのが手首から伝わるのが個人的に好きなポイントです。

 

 

 

 

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今回のオークションでのお目当てのひとつ、IWCのGSTアラームのチタンです。

その名の通りアラーム機能が付いていて、先が赤い針を2時位置のリューズで操作し、アラームをかけることができます。

写真は撮ってないのですが、4時位置の日時を合わせるリューズにはおなじみの魚マーク、2時位置のリューズにはアラームを意味するベルのマークが付いています。このベルのマークがかわいくて、無骨なデザインにはまっていて愛らしいです。

夜光塗料はオールトリチウムでほんのりクリーム色になっており、箱も保証書もついていて文句のつけようがありません。

先程も書いたように僕はGSTクロノグラフのチタンを普段から愛用しています。GSTのチタンは本当に軽くて、片プッシュ式のバックルで着脱もスムーズにできるので普段使いに心からオススメできます。

オールトリチウムの良個体、倍率はけっこう高いかもしれません。

 

 

 

ちょっと長くなりましたので今回はこの辺で。

次回は下見の後半戦をお届けします。

 

 

店主の買付け備忘録で紹介し、買付けすることができた商品はメンテナンスなど終えた後、順次当店のヤフーショッピングなどに出品していきますのでよかったらご覧になってみてください。

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